ゴルメサブジ。香草、牛肉、赤いんげん豆、ドライライムを煮込んだイランの緑の煮込みをバスマティライスと盛り合わせた食卓
🔪下準備35分
🔥調理2時間10分
🌍料理イラン料理

ゴルメサブジの作り方|イランの香草煮込み

33分で読めます世界ごはん紀行編集部
Cooking flow

作り方を先に見る

調理工程スライド
STEP 11 / 6

香草を洗って刻む

所要時間20分 / 火加減は加熱なし

手順1: 香草を洗って刻む

パセリ120g、パクチー80g、青ねぎ80gを洗い、布巾かペーパーで水気を押さえます。パセリとパクチーは硬い茎を外し、葉と柔らかい茎を3mm幅のみじん切りにします。青ねぎは2〜3mmの小口切りです。濡れたまま炒めると鍋の中で蒸され、香りが薄くなるので、刻んだ後も広げて5分ほど置きます。

乾燥フェヌグリーク2gは、この段階では混ぜません。生の香草と同じ時間炒めると苦みが立ちやすいので、後半に加えます。包丁で刻むのが大変ならフードプロセッサーを短く使えますが、ペースト状になるまで回さないでください。粒が残るほど、煮込みにしたときの口当たりがよくなります。

STEP 22 / 6

肉と玉ねぎを焼く

所要時間10分 / 火加減は強めの中火から中火

手順2: 肉と玉ねぎを焼く

厚手の鍋に油大さじ2を入れて中火で温め、薄切りの玉ねぎを3分炒めます。透き通って端が薄い黄金色になったら、3cm角の牛肉500gを入れ、強めの中火にします。肉の表面が茶色に変わるまで4〜5分焼き、ターメリック小さじ1、黒こしょう小さじ1/4、塩小さじ1を加えて1分炒めます。

鍋底に茶色い焦げ付きが少しできるのはよいサインです。黒く焦げると苦みになるので、玉ねぎが急に濃くなったら水大さじ2を加え、木べらで鍋底をこすります。ここで肉の中心まで火を通す必要はありません。表面の香ばしさと、玉ねぎの甘みを先に作る工程です。

STEP 33 / 6

香草を濃い緑まで炒める

所要時間18〜20分 / 火加減は中火から弱めの中火

手順3: 香草を濃い緑まで炒める

別のフライパンに油大さじ3を入れ、3mm幅に刻んだ香草を広げます。最初の5分は中火で水分を飛ばし、湯気が減ってきたら弱めの中火に落とします。木べらで返しながら、明るい緑から濃いオリーブ色になり、鍋底に水がたまらない状態まで炒めます。

残り3分で乾燥フェヌグリーク2gを加えます。香りがふっと立ち、油が香草に絡んだら止めどきです。黒っぽい点が増えるまで炒めると、煮込んでも苦みが抜けません。香草炒めはこの料理の味を決める工程ですが、焦がすための工程ではありません。迷ったら少し浅めで止め、煮込みでなじませます。

STEP 44 / 6

豆とドライライムを入れて煮る

所要時間80〜90分 / 火加減は沸いたら弱火

手順4: 豆とドライライムを入れて煮る

肉の鍋に炒めた香草、赤いんげん豆240g、水600mlを加えます。ホールのドライライム2個は竹串で2〜3か所穴を開けて入れます。粉末を使う場合は、ここで小さじ1/2を煮汁に溶かし、残りは仕上げに味を見て加えます。沸騰したら表面の灰汁を軽く取り、ふたを少しずらして弱火にします。液面が静かにふつふつし、肉がゆっくり動く程度を保ちます。

途中で水分が減りすぎたら、水100mlを足します。強く煮立てると豆が割れ、ホールのドライライムから苦みが急に出ます。粉末版は煮汁全体へ広がるため、味を見ずに追加しません。60分を過ぎたら肉を一つ取り、箸が抵抗なく入るか確認します。すね肉を使う場合は、ここでさらに20〜30分かかることがあります。塩は最後に調整するので、この段階では少し薄いくらいで構いません。

STEP 55 / 6

濃度と酸味を整える

所要時間15〜20分 / 火加減は弱めの中火

手順5: 濃度と酸味を整える

ふたを外し、木べらで鍋底をなぞりながら煮詰めます。ソースが木べらに絡み、鍋の縁に緑がかった油が少しにじむ状態が目安です。塩小さじ1/2を加え、酸味を確認します。ドライライムの香りが十分ならそのまま、酸味が弱ければレモン汁小さじ2を加えます。

ホールのドライライムを強く押しつぶすと、皮の苦みが出ます。香りを足したいときは、穴を開けた面をソースに浸す程度にして、実を潰さないでください。粉末版で酸味を足すときは小さじ1/4ずつ混ぜ、30秒ほど煮てから味を見ます。仕上がりが水っぽい場合は、火を少し強めて5分追加します。逆に重すぎる場合は、水50mlを足し、ふつふつするまで温め直します。

STEP 66 / 6

米に添えて盛り付ける

所要時間5分 / 火加減は加熱なし

手順6: 米に添えて盛り付ける

バスマティ米300gは別で炊き、芯がなく粒がふっくら離れた状態で皿に軽く広げます。ゴルメサブジは米の全面にかけず、片側にかけると食べながら濃さを調整できます。シラーズ風サラダ、プレーンヨーグルト、ミントやバジルなどの香草を添えると、濃い煮込みが続いても食べ疲れしません。

サフランを使う場合は、0.1gをぬるま湯大さじ1で10分戻し、炊き上がった米の一部に混ぜて黄色を作ります。米全体を黄色くする必要はありません。白い米の中に少し黄色があるだけで、食卓の見た目が変わります。ラディッシュ、ミント、パセリを添えるサブジ・ホルダーンを別皿に置き、煮込みを米へ少しずつ重ねて食べます。

0 / 0
Ingredients

材料を分けて見る

材料スライド
材料

買い出しの前に

ゴルメサブジの買い出しは、肉より香草から考えるとまとまります。パセリと青ねぎだけでは単調になり、パクチーだけを増やすと別の料理に寄ります。乾燥フェヌグリークは少量で香りが強いので、入れすぎないことが大切です。

ゴルメサブジに使う香草、牛肉、赤いんげん豆、ドライライム、バスマティ米を並べた材料
香草、豆、ドライライムを先に決めると、ゴルメサブジの買い出しで迷いにくい
16品目

4人分

材料 分量 日本での目安
牛肩ロースまたは牛すね肉 500g 3cm角。ラム肩肉なら450g
玉ねぎ 1個(200g) 薄切り
パセリ 正味120g 茎の硬い部分を除く。イタリアンパセリでも可
パクチー 正味80g 苦手なら40gにし、残りをパセリへ
青ねぎまたはわけぎ 80g 小口切り。ニラを20g混ぜると香りが近づく
乾燥フェヌグリーク(シャンバリレ) 2g 入れすぎると苦い。カスリメティで代用可
赤いんげん豆水煮 240g 1缶を水切り。乾燥豆なら100gを前日から戻す
ドライライム(ルーミ、リムーアマニ) ホール2個 粉末なら小さじ1/2から。なければ仕上げにレモン汁
ターメリック 小さじ1
黒こしょう 小さじ1/4
小さじ1と1/2
米油または太白ごま油 大さじ5 香草を炒める分を含む
700ml 最初に600ml、煮詰まり具合を見て100ml追加
バスマティ米 300g 添える米。日本米なら水を少し控える
サフラン 0.1g 米に色を付ける場合。省略して白い米でもよい
ラディッシュ 4個 添え用。ミントやパセリを足してもよい
メモ

代替できるもの、代替しにくいもの

牛肉は、肩ロース、すね、ばらブロックのどれでも作れます。短時間で仕上げたいときは肩ロース、煮込みのうま味を濃くしたいときはすね肉です。薄切り肉は火の通りは早いものの、長く煮ると繊維がほどけすぎるので、初回は角切りが安定します。

香草は、パセリ、パクチー、青ねぎを基本にします。現地のタレー(細い平葉のネギ類)が手に入らない日本では、青ねぎと少量のニラで補う方法が現実的です。乾燥フェヌグリークは香りの芯ですが、2gを超えると苦みが前に出ます。初回は「少なくて物足りない」くらいで止め、次回に増やしてください。

ドライライムは、レモン汁で完全には置き換えにくい材料です。酸味だけでなく、乾いた香りと、煮込みに残る皮のほろ苦さがあります。カプサや湾岸の米料理にも使えるので、中東料理を続けるなら小袋で持っておく価値があります。ホールを煮込む本来の配合と、粉末を少量ずつ加える方法は別物なので、同じ分量で置き換えません。

ホールと粉末は使う量を分ける

ホールのドライライムは竹串で穴を開け、煮汁に入れて香りをゆっくり移します。粉末は小さじ1/2から加え、仕上げに酸味を見て少量ずつ足してください。粉末は果肉と皮、種の苦みが一緒に出やすく、最初から多く入れると鍋全体を戻しにくくなります。

0 / 0
材料表の分量4人分

表内の数値を目安として再計算します。塩、辛味、油は味を見ながら調整してください。

📊 栄養情報(1人分)
795
kcal
39.5g
タンパク質
32.0g
脂質
82.5g
炭水化物
8.5g
食物繊維
900mg
ナトリウム
※ 目安値です。材料や調理法により変動します。
Shop the pantry

材料からそろえる、味の決め手

買い出しガイド

買い出しで見る価値があるもの

ゴルメサブジで通販を見る価値があるのは、ドライライム、バスマティ米、米に香りを足す少量のサフランです。牛肉、玉ねぎ、パセリ、パクチー、青ねぎ、赤いんげん豆は近所のスーパーで十分です。

ホールのドライライムを使えば、煮込みの中で香りがゆっくり変わります。掲載カードは粉末タイプなので、リンク先で「Ground」「原材料:Dried Lime」と表示される商品を選び、ホール2個の代わりに小さじ1/2から使う場合に向きます。Sadafの公式商品情報では、粉末タイプはサイズを選べ、原材料はドライライムです。小麦、木の実、大豆、ごまとの共通設備表示があるため、アレルギーがある人は購入前に販売ページと現物表示を確認してください。

バスマティ米は、ソースを受けても粒が重くなりにくい長粒米です。リンク先はパキスタン産・1kgの有機バスマティ米なので、4人分で使う300gだけでなく、ビリヤニや別のホレシュにも回す人に向きます。日本米で作る場合は、米の銘柄を買い足す必要はありません。

サフランは必須ではありません。白い米でも味は成立しますが、1gのスペイン産クーペグレードは、0.1gだけ使って米の一部を黄色くする今回の用途に合わせやすい容量です。リンク先では原産国、内容量、保存方法を確認できます。サフランを普段使わない人は、無理に買わず白米で仕上げてください。

サフラン 1g スペイン産(クーペグレード)
サフラン 1g スペイン産(クーペグレード)
リサーチ日時:2026-08-23
粉末ドライライム(Sadaf Ground Dried Lime)
粉末ドライライム(Sadaf Ground Dried Lime)
リサーチ日時:2026-08-23

鍋から香草の香りが立つゴルメサブジの入口

刻んだパセリ、パクチー、青ねぎを油に広げると、最初は青い湯気が立ち、やがて鍋底の水分が消えて濃いオリーブ色に変わります。その香草を牛肉、豆、ドライライムと一緒に煮込むと、辛さではなく、青い香りと肉のうま味、乾いた酸味が重なるゴルメサブジになります。

ゴルメサブジの鍋、バスマティライス、シラーズ風サラダ、ヨーグルト、香草を並べたイラン家庭料理の食卓
ゴルメサブジは濃い緑の煮込みを白い米に重ね、酸味のある副菜と一緒に食べると重くならない

日本の台所で迷いやすいのは、香草の比率と酸味の材料です。パセリを増やせば青さは穏やかになり、パクチーを増やすと香りが前へ出ます。フェヌグリークは少量で十分です。レモン汁でも酸味は作れますが、ルーミ、リムーアマニとも呼ばれるドライライムを使うと、酸味に乾いた香りとほろ苦さが残ります。

日本では、手に入りやすい牛肩ロース、パセリ、パクチー、青ねぎ、乾燥フェヌグリークで組み立てます。ラムに替えると香りは強くなりますが、初回は牛肉の方が火の通りを読みやすくなります。フェセンジャーンの甘酸っぱい茶色、タフチンの黄金色と並べれば、イラン料理の味と色の違いも見えます。

どんな料理か

ゴルメサブジは、ペルシア語圏の煮込み料理「ホレシュ(khoresh / khoresht)」の一つです。ホレシュは、玉ねぎと肉を油で炒め、先に炒めた香草や野菜、豆、乾燥果実などを加えて作る、汁の少ない煮込みとして整理されています。現代イラン料理の代表的なホレシュの一つに、qorma-sabzi(ゴルメサブジ)が挙げられます。

日本のカレーやシチューのように、鍋の中に水分をたっぷり残す料理ではありません。仕上がりは、米に添えても流れすぎず、肉と豆にはソースが絡む濃度です。香草の青さは、油の中で水分を飛ばしてから煮込むと角が取れます。焦げた苦みを加えるのではなく、湯気が減り、色が濃くなったところで止めるのが目安です。

米と生の香草が、煮込みの輪郭を決める

ホレシュは、煮込みだけを椀で食べる料理ではありません。イランでは白い米と一緒に出し、煮込みを米の上へ少量ずつかけるか、横に置いて、スプーンで米と煮込みを合わせます。米の一粒が香草の油と酸味を受けるため、鍋の味を濃くしすぎなくても食卓で輪郭が出ます。イラン料理で米が大きな位置を占めるようになった背景には、サファヴィー朝の宮廷料理から16世紀末にかけて米料理が広がり、白米とホレシュを組み合わせるチェロウ・ホレシュが定着した流れがあります。

皿の横に生の香草やラディッシュを添える食べ方も、単なる飾りではありません。パセリ、パクチー、青ねぎなどをラディッシュと盛るサブジ・ホルダーン(sabzi khordan)は、濃い煮込みに歯ざわりと青い香りを足します。日本でそろえるなら、ラディッシュ、ミント、パセリを少量盛るだけで十分です。肉料理や別の煮込みを足すより、冷たい野菜と生の香草を添える方が、ゴルメサブジの酸味を感じやすくなります。

地域差は、料理名を変えるほど大きくない範囲にも現れます。タブリーズ出身の家庭ではトマトペーストやくし形トマトを加える例があり、豆も赤いんげん豆、うずら豆、黒目豆などに分かれます。フェヌグリークを好む家庭と控える家庭があり、香草の刻み方も、細かく刻んで暗い緑にする地域と粗めに残す配合に分かれます。今回の配合は、トマトを入れない緑の香草煮込みを基準にし、豆と香草の比率を日本で調整しやすくしています。

ドライライムは、イランではリムーアマニ、オマーンではルーミ、イラクではヌーミ・バスラなどと呼ばれます。天日で水分を抜いた果実を丸ごと、薄切り、粉末で使い分け、イランでは煮込みやスープの酸味づけに使われます。ホールを煮汁へ入れると皮の香りがゆっくり移り、粉末は少量を味見しながら加えられるため、日本では両方の使い方を選べます。

日本で守る味の軸は、香草を炒めてから煮ること、米に添えられる濃度、酸味を最後に調整することです。 肉の種類や豆の銘柄を完全にそろえるより、この三つを外さない方が、食卓でゴルメサブジらしさを感じやすくなります。

失敗しやすいポイントと現地らしい食べ方

ゴルメサブジの失敗は、香草、酸味、煮込み時間のどこかに出ます。スパイスを増やしても解決しにくいので、鍋の状態を見て直す方が確実です。

香草が青臭い

炒めが浅いことが多いです。完成後に青臭さが残った場合は、弱めの中火で10分ほど追加で煮詰めます。次回は、香草を刻む前に水気をしっかり取り、フライパンで湯気が減るまで炒めてください。パクチーの香りが強すぎる場合は、パクチーを40gに減らし、パセリを160gに増やします。

苦い

フェヌグリークかドライライムの扱いが原因になりやすいです。フェヌグリークは2gから始め、長く炒めすぎないこと。ホールのドライライムは割らず、穴を開けるだけにします。粉末は小さじ1/2から加え、苦みが出たら追加しません。苦みが強い鍋は、レモン汁を足すより、米やヨーグルト、サラダを多めに添えて食卓全体で薄める方が食べやすくなります。

水っぽい

最後にふたを外して煮詰める時間が足りません。ゴルメサブジは、スープのようにさらさらではなく、香草ソースが肉と豆に絡む料理です。木べらで鍋底をなぞった跡が一瞬見えるくらいまで詰めます。焦げそうなら、水分を飛ばす前に火を弱め、鍋底をこまめにこすります。

酸味だけが尖る

レモン汁を早く入れすぎたか、ドライライムを強く押しつぶした可能性があります。煮込みの途中で酸味を決めようとすると、肉が柔らかくなる前に味が細く感じます。酸味が強い鍋は、水50mlを足して弱火で10分煮直し、最後に塩をひとつまみだけ加えます。砂糖で丸めるより、米、ヨーグルト、きゅうりのサラダを添えて皿の上で落ち着かせる方が、ゴルメサブジの香草感を壊しません。

肉が硬い

肉の部位と時間の問題です。肩ロースなら90分前後で柔らかくなりますが、すね肉は120分近くかかることがあります。煮込み途中で塩を増やしすぎると硬さが気になりやすいので、最終調整までは薄味にします。急ぐ場合は圧力鍋を使えますが、香草の色と香りが飛びやすいので、加圧は肉と玉ねぎだけにし、香草は後から加えて20分煮る方がまとまります。

食べ方は米、サラダ、香草で組む

イランの煮込みは、白い米にかけて食べると味の輪郭が見えます。ゴルメサブジは香草の油があるので、米は軽い方が合います。バスマティ米がなければジャスミン米、日本米なら水を少し控えめに炊いてください。ホレシュは米に全部かけて混ぜるより、横に置いて一口ごとに合わせる方が、酸味と香草の濃さを調整できます。

副菜は、きゅうり、トマト、玉ねぎを小さく切ってレモン汁と塩で和えるシラーズ風サラダがよく合います。ヨーグルトにきゅうりを混ぜたマスト・ヒアール風の小鉢も、香草の濃さを受け止めます。肉料理をもう一つ足すより、酸味と冷たい副菜を置く方が、ゴルメサブジのよさが残ります。

地域や家庭によって、豆は赤いんげん豆、うずら豆、黒目豆に分かれます。肉もラム、牛、鶏、肉なしの家庭版まであります。守りたいのは、香草を炒めること、酸味を乾いた方向に寄せること、米と一緒に食べることです。ここを外さなければ、日本の材料でもゴルメサブジとして楽しめます。

家庭の配合を、日本の台所で分ける

タブリーズ寄りの味にしたいときは、STEP 2でトマトペースト小さじ2を玉ねぎへ加え、くし形に切ったトマト100gを豆と同じタイミングで入れます。酸味が強くなり、緑色は少し赤みを帯びます。最初の一鍋はトマトなしで香草とドライライムの輪郭を確かめ、二度目に地域差として試すと違いが分かりやすくなります。

豆を替える場合は、うずら豆なら栗のような甘さ、黒目豆なら皮の軽い食感が出ます。水煮を使うときは、缶汁を切ってから加え、塩を最後に調整します。乾燥豆を使う場合は、100gを前日に戻して別鍋で柔らかく煮てから加えると、香草を炒める工程へ豆の煮汁が入りません。

圧力鍋で時間を縮めるなら、牛肉と玉ねぎ、水400mlだけを加圧し、圧が抜けてから炒めた香草、豆、ドライライムを加えて弱火で20分煮ます。香草まで最初から加圧すると、緑の香りが抜けやすく、濃度も読みにくくなります。肉なし版は牛肉を抜き、4等分したマッシュルーム200gを玉ねぎと炒め、豆を300gに増やします。これは家庭向けの置き換えであり、肉のうま味を再現するものではありません。

保存、作り置き、FAQ

ゴルメサブジは作った日より翌日の方がなじみます。ただし米と一緒に保存すると、米が水分を吸って重くなるので、煮込みと米は分けてください。肉と豆の入った鍋を室温に置いたままにせず、2時間以内、気温が32℃を超える環境なら1時間以内に浅い容器へ小分けして冷蔵します。

ゴルメサブジとバスマティライスを保存容器に分けた作り置き
ゴルメサブジは煮込みと米を分けて保存すると、翌日も香草の濃さを調整しやすい

冷蔵保存は3〜4日が目安です。浅い保存容器へ分け、冷蔵庫が4℃以下になるようにします。温め直すときは鍋に戻し、水大さじ2〜3を加えて弱火で温めます。電子レンジなら600Wで2分温め、一度混ぜてから追加で1分。中心まで熱くなり、ソースがふつふつする状態を確認してください。

保存は煮込みと米を分ける

作った鍋を室温に置いたままにせず、冷ますときも浅い容器へ分けます。米は別容器にし、食べる分だけ合わせてください。冷蔵した煮込みを温め直すときは、中心まで熱くなったことを確認します。

冷凍する場合は、1食分ずつ小分けにして、風味を保つ目安を2〜3週間とします。ドライライムは冷凍前に取り出すと、温め直しで苦みが出にくくなります。解凍後に香りが弱いと感じたら、レモン汁小さじ1と刻んだパセリ少量を最後に足すと、食べやすく戻ります。

Q1. フェヌグリークなしで作れますか?

作れます。ただし、ゴルメサブジらしい奥の香りは弱くなります。初回は省いてもよいですが、次に作るなら乾燥フェヌグリークやカスリメティを2gだけ足してみてください。多く入れれば本格的になる材料ではなく、少量で全体をつなぐ材料です。

Q2. パクチーが苦手でも大丈夫ですか?

大丈夫です。パクチーを40gに減らし、パセリを160gに増やしてください。完全に抜くと香りが平らになるため、青ねぎを20g増やし、ニラを20gだけ混ぜるとまとまりやすいです。パクチーの強さは煮込みでかなり丸くなります。

Q3. ドライライムがない場合はどうしますか?

仕上げにレモン汁大さじ1を加えます。酸味は出ますが、ドライライムの乾いた香りとほろ苦さは別物です。粉末ドライライムがある場合は小さじ1/2から煮汁へ加え、30秒ほど煮てから味を見ます。初回はレモンで作っても構いませんが、ゴルメサブジ、カプサ、マチュブースのような料理を続けるなら、ドライライムを一度試すと違いが分かりやすいです。

Q4. 肉なしでも作れますか?

作れます。肉を抜く場合は、マッシュルーム200gを4等分にして玉ねぎと炒め、豆を少し多めの300gにします。うま味が軽くなるので、煮込みの最後にオリーブオイル小さじ2を足してください。完全な現地家庭版とは違いますが、香草とドライライムの料理として十分楽しめます。

Q5. どの料理と合わせるとよいですか?

イラン料理でまとめるなら、甘酸っぱいフェセンジャーンと対にすると、ざくろの茶色と香草の緑が比べられます。米料理を主役にしたい日はタフチンへ。酸味のあるサラダを添えるなら、レバノンのタブーリも食卓の方向が近いです。

皿に盛る前の確認

ゴルメサブジは、材料を増やすより、香草を焦がさず炒め、肉が柔らかくなるまで待ち、ドライライムを潰しすぎないことが大切です。緑の煮込みを白い米に少しずつかけると、香草の苦みではなく、肉と豆に移った酸味が見えてきます。

買い出しでは、香草を多めに見積もること、ドライライムを探すこと、米を軽く炊くこと。この三つができれば、日本の台所でもかなり満足度の高いイランの家庭料理になります。

主な参考リンク

レシピ一覧に戻る