パン粉衣をつけた豚肉の串料理シティチキンをマッシュポテトとグレイビーで盛った皿
🔪下準備35分
🔥調理45分
🌍料理アメリカ料理

シティチキンの作り方|米国中西部の串カツ風ポーク

30分で読めます世界ごはん紀行編集部
Cooking flow

作り方を先に見る

調理工程スライド
STEP 11 / 8

豚肉を角切りにする

所要時間12分

手順1: 豚肉を角切りにする

火加減/温度: 火は使いません

豚肉は余分な脂と筋を外し、2.5cm角を目安に切ります。大きさがばらつくと、串の中で小さい肉だけ先に固くなります。肩ロースの脂は少し残してよいですが、白い脂身だけの部分は衣がはがれやすいので外します。

STEP 22 / 8

串に刺して形を整える

所要時間8分

手順2: 串に刺して形を整える

火加減/温度: 火は使いません

竹串を水に10分浸し、肉を3から4切れずつ刺します。仕上がりは長さ7から8cm、中央の太さ3cmほどが目安です。太い部分を中央に寄せ、両端を少し細くすると、鶏もも肉風の形になります。肉同士の間を空けすぎると衣が入り込んで崩れやすいので、軽く押し合う程度に詰めます。

STEP 33 / 8

粉をまぶす

所要時間6分

手順3: 粉をまぶす

火加減/温度: 火は使いません

薄力粉70gに塩少々、こしょう少々、パプリカ小さじ1を混ぜ、粉がさらさらで赤いだまが残らない状態にします。串全体へ薄くまぶし、粉が厚く残ったところは指で軽くはたきます。肉の赤みがうっすら透ける程度で止めると、卵が均一にのり、衣が厚い団子になりません。

STEP 44 / 8

卵とパン粉をつける

所要時間10分

手順4: 卵とパン粉をつける

火加減/温度: 火は使いません

卵2個に牛乳大さじ2を混ぜ、白身の筋が見えないなめらかな液にします。粉をまぶした串をくぐらせ、パン粉の上で転がし、手で軽く押さえてから網に置きます。パン粉がまだらに湿り、軽く持っても大きく落ちない状態まで5分休ませると、加熱中にはがれにくくなります。

STEP 55 / 8

フライパンで焼き色をつける

所要時間10分

手順5: フライパンで焼き色をつける

火加減/温度: 中火、油170から175度C目安

フライパンに油を5mmほど入れ、中火で温めます。パン粉を落としてすぐ泡が立つ温度になったら、串を並べます。片面2分から3分ずつ、合計8分ほどで全面をきつね色にします。ここでは中まで完全に火を通すより、衣を固めて香ばしさを作るのが目的です。

STEP 66 / 8

オーブンで中まで火を通す

所要時間18分

手順6: オーブンで中まで火を通す

火加減/温度: 180度C

焼き色をつけた串を網にのせ、180度Cに予熱したオーブンで12分から15分焼きます。網がない場合は天板に直接置き、途中で一度返します。衣の底が湿るのを防ぐには、網にのせる方が向いています。

STEP 77 / 8

中心温度を確認して休ませる

所要時間6分

手順7: 中心温度を確認して休ませる

火加減/温度: 余熱、中心63度C以上を確認

一番太い串の中心へ温度計を差し、63度C以上になっていることを確認します。足りなければ180度Cで3分ずつ追加します。温度を確認したら、網の上で3分休ませます。すぐ割ると肉汁が出やすく、衣も落ちやすくなります。

STEP 88 / 8

グレイビーを作る

所要時間10分

手順8: グレイビーを作る

火加減/温度: 弱めの中火、ふつふつする程度

フライパンの油を大さじ1ほど残し、焦げが黒ければ軽く拭き取ります。バター15gと薄力粉大さじ1を入れ、弱めの中火で1分炒めます。チキンブロス250mlを少しずつ加え、木べらで底をこそげながら3分から4分煮ます。ウスターソース小さじ1、塩少々で味を整え、とろみがスプーンに薄く残る状態で火を止めます。

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Ingredients

材料を分けて見る

材料スライド
材料

買い出しの前に

シティチキンに使う豚肉、竹串、粉、卵、パン粉、パプリカ、だしを台所に並べた材料
豚肉は角切り、衣は粉、卵、パン粉の順に分けておくと作業が乱れにくい

4人分で、1人2本ずつ食べる量です。豚肩ロースだけで作るとジューシーですが、脂が多いと衣がはがれやすくなります。豚ももだけだと締まりやすいので、初回は肩ロースと豚ももを半量ずつ混ぜると扱いやすいです。

買い物では「揚げ物用」と書かれた薄切りではなく、ブロック肉を選びます。店で角切りを頼めるなら、2.5cm角を目安にしてもらうと、家での作業が一気に楽になります。串に刺したときに肉の面がそろうほど、粉、卵、パン粉の厚みもそろい、焼き色が安定します。

6品目

肉と下味

材料 分量 日本での選び方
豚肩ロースブロック 300g 脂身を厚く残さず、2.5cm角に切る
豚ももブロック 300g 肩ロースだけでも可。赤身を足すと形が締まる
小さじ1と1/4 肉の下味用
黒こしょう 小さじ1/2 細びきでも粗びきでも可
パプリカパウダー 小さじ1 色と香り。スモークパプリカなら少し米国らしい
にんにくパウダー 小さじ1/2 すりおろしにんにく小さじ1/2でも可
5品目

衣と焼き油

材料 分量 代替・備考
薄力粉 70g 肉の水分を受け止める
2個 よく溶き、白身の塊を切る
パン粉 120g 細かめなら均一、粗めならザクザクになる
牛乳 大さじ2 卵をのばす。水でも可
サラダ油 フライパン深さ5mm 揚げ焼き用。ごま油は香りが強すぎる
6品目

グレイビーと付け合わせ

材料 分量 役割
バター 15g グレイビーのコク
薄力粉 大さじ1 グレイビーをとろませる
チキンブロスまたは水 250ml 水の場合は顆粒コンソメ小さじ1/2を足す
ウスターソース 小さじ1 肉の香りを補う
マッシュポテト 4人分 グレイビーを受ける
いんげん、ピクルス 各適量 皿の重さを切る
5品目

肉を買う時の判断

売り場で見るもの 向いている度 理由
豚肩ロースブロック 高い 脂と赤身のバランスがよく、串に刺しても乾きにくい
豚ももブロック 高い 形が締まり、肩ロースの脂を補正できる
とんかつ用厚切り肉 2.5cm角に切れる厚みなら使える。筋切り済みは崩れやすいことがある
豚こま、薄切り 低い 串の形が崩れやすく、中心温度を確認しづらい
鶏もも肉 料理としては可 名前の文脈からは外れる。使うなら中心74度C以上を確認する
アレルギーと加熱の注意

この料理には豚肉、小麦、卵、乳製品が含まれます。豚肉は中心まで火を通し、完成後は長く常温に置かないでください。本文では米国の食品安全情報を参考に、中心温度63度C以上、休ませ時間3分以上を目安にしています。ひき肉ではなく角切り肉ですが、串で肉を重ねるため、温度計で厚い部分を確認すると安心です。

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材料表の分量4人分

表内の数値を目安として再計算します。塩、辛味、油は味を見ながら調整してください。

📊 栄養情報(1人分)
130
kcal
9.5g
タンパク質
7.0g
脂質
7.5g
炭水化物
0.5g
食物繊維
245mg
ナトリウム
※ 目安値です。材料や調理法により変動します。
Shop the pantry

材料からそろえる、味の決め手

買い出しガイド

この料理に使う食材・道具

シティチキンで買い足すなら、竹串、パプリカ、温度計の3つです。豚肉、卵、パン粉は近所のスーパーで足ります。串は形を作る道具、パプリカは衣に米国風の色を足す香り、温度計は「見た目は揚がったのに中が不安」をなくすための道具です。

串は長すぎるとフライパンに入らないので、家庭では18から24cmでも構いません。30cm串を使う場合は、肉を中央に寄せて、両端を短く持てるようにします。

パプリカは辛くするためではなく、衣に温かい赤みと甘い香りを足すために使います。スモークパプリカを持っている場合は半量だけ置き換えると、米国の揚げ焼き料理らしい香ばしさが出ます。

温度計は、オーブン仕上げに入る料理ほど役に立ちます。衣が茶色くても中心が足りないことがあるため、初回だけでも一番太い串で確認してください。

竹串(ケバブ用 30cm)50本
竹串(ケバブ用 30cm)50本
リサーチ日時:2026年6月12日

シティチキンの物語|鶏ではないのに、なぜチキンなのか

焼き上げたシティチキンを網で休ませ、切り口とグレイビーを添えた台所
焼き上げた串を少し休ませると、衣が落ち着き、切り口の肉汁も流れにくい

串に刺した豚肉へパン粉を押しつけ、油の浅いフライパンへ置くと、見た目は小さな串カツに近いです。けれど米国中西部やピッツバーグ周辺では、これをシティチキン(City chicken)と呼びます。名前にチキンと入るのに、材料は鶏肉ではありません。豚肉や仔牛肉を角切りにして串に刺し、鶏の骨付き肉のような形に見せた家庭料理です。

この名前には、20世紀前半の都市部の食事情が残っています。今の感覚だと鶏肉は安い食材ですが、かつての米国では鶏が高く、豚や仔牛の端肉を串にまとめて「鶏肉風」に仕立てる方が現実的な時代がありました。移民の家庭料理、精肉店の串売り、教会の持ち寄り料理が混ざり、クリーブランド、デトロイト、ピッツバーグ、オハイオやミシガンの家庭に残ったのがシティチキンです。

日本の台所で作るときは、串カツとして考えると近づきます。ただし、シティチキンは揚げて終わりではありません。表面に焼き色をつけたあと、オーブンで中まで火を通し、肉汁と焦げを使ってグレイビーを作る。この最後の茶色いソースまで含めて、米国の家庭料理らしい皿になります。

ジャンバラヤガンボがルイジアナの鍋料理なら、シティチキンは五大湖周辺の食卓に近い料理です。華やかなスパイス料理ではなく、スーパーで買える肉、パン粉、卵、マッシュポテトで、夕飯の皿をどっしり作る料理。そこに、この料理の良さがあります。

名前の揺れ

City chicken は mock chicken、mock drumsticks と呼ばれることもあります。ポーランド系、ウクライナ系、スロバキア系など移民家庭の食卓と結びついて語られることが多く、地域によって豚肉だけ、仔牛肉入り、グレイビーあり、トマトソースなしなど差があります。本記事では、日本で入手しやすい豚肩ロースと豚ももを使い、グレイビーで仕上げる家庭向けに寄せます。

五大湖の精肉店から夕飯の皿へ

シティチキンを面白くしているのは、名前の冗談だけではありません。角切り肉を串に刺して骨付き肉のように見せる発想には、都市で働く移民家庭の「少しよそゆきにしたい夕飯」が見えます。高価だった鶏をそのまま買うのではなく、手に入りやすい豚肉や仔牛肉を形で近づける。衣をつけ、焼き色をつけ、茶色いグレイビーをかける。皿の上では、安い端肉が日曜のメインに変わります。

この料理は、ニューオーリンズのガンボのように地域名だけで一気に香りが立つ料理ではありません。むしろ、デトロイト、クリーブランド、ピッツバーグの周辺で、精肉店、教会の持ち寄り、家庭の台所を行き来しながら残った料理です。だから形は一つに固まりません。豚だけで軽く作る家も、仔牛を混ぜてやわらかくする家も、焼いた串をグレイビーで軽く煮る家もあります。

日本で再現するときは、この自由さを雑に受け取らない方がうまくいきます。串カツの材料で作れるのに、串カツとして食べ切らないこと。ソースではなくグレイビーを作ること。キャベツの山ではなく、マッシュポテト、いんげん、コーン、ピクルスを添えること。ここを変えるだけで、同じ豚肉とパン粉でも「米国中西部の家庭料理」として着地します。

もう一つ大事なのは、肉の買い方です。薄切りやこま切れを無理に丸めると、表面積が増えて粉と卵が入り込み、中心温度も読みづらくなります。精肉店で角切りにされた肉を串にする感覚に寄せるなら、ブロック肉を2.5cm角に切るのが近道です。肩ロースだけだと脂で衣が浮きやすく、ももだけだと締まりやすいので、初回は半量ずつ混ぜる。この小さな現実的判断が、台所での失敗をかなり減らします。

地域差と食べ方|串カツではなく、グレイビーの皿にする

切り口を見せたシティチキンをマッシュポテト、いんげん、グレイビーで盛った皿
切り口に角切り肉が見えると、鶏肉ではないシティチキンらしさが伝わる

シティチキンは、地域や家庭でかなり違います。豚肉だけで作る家もあれば、豚肉と仔牛肉を交互に刺す家もあります。パン粉をつけて揚げるだけの家、揚げ焼き後にオーブンへ入れる家、グレイビーで短く煮る家もあります。共通しているのは、肉を串にまとめて、骨付き鶏肉のように見せることです。

日本の家庭では、串カツに寄せすぎない方が現地らしさが出ます。ソースをどっぷりかけるより、マッシュポテトとグレイビーで受ける。キャベツの千切りより、いんげん、コーン、ピクルスのような付け合わせを置く。パン粉衣の肉を、ごはんのおかずではなく、茶色いソースとじゃがいもで食べると、米国の家庭料理らしい重心になります。

同じ米国料理でも、ポーボーイはフランスパンで具を挟むニューオーリンズのサンドイッチ、レッドビーンズ・アンド・ライスは豆と米で月曜の鍋を作る料理です。シティチキンはそのどちらとも違い、精肉店で買った角切り肉を、家庭で「ごちそう風」に変える料理です。

食べ方で迷ったら、揚げ物として軽くするより、夕飯の皿としてまとめる方へ寄せます。マッシュポテトを広げ、串をのせ、グレイビーを少しかける。横に酸味のあるピクルスか、塩ゆでしたいんげんを置く。パン粉衣の香ばしさ、じゃがいものなめらかさ、グレイビーの塩気がそろうと、ソースをかけた串カツとは別の料理になります。

日本で寄せる時の分岐

迷う点 初回のおすすめ 変えてよい範囲
豚肩ロース300g、豚もも300g 肩ロースだけなら柔らかい。ももだけなら軽い
薄力粉、卵、パン粉 細かいパン粉なら上品、粗いパン粉ならザクザク
仕上げ 揚げ焼き後に180度Cで焼く オーブンなしなら蓋をして弱火で8分。ただし衣は少し湿る
ソース ブラウングレイビー 市販グレイビー、またはコンソメとバターで簡易版
付け合わせ マッシュポテト、いんげん コーン、ピクルス、ロールパンも合う

衣がはがれる原因は、肉の水分、粉の厚さ、休ませ不足の3つです。串に刺したあと、表面が濡れている場合はキッチンペーパーで押さえます。粉は厚くつけず、卵とパン粉をつけた後に5分休ませる。この小さな待ち時間で、フライパンへ入れたときの崩れ方が変わります。

保存と温め直し|衣とグレイビーは分ける

シティチキンの余りを網で冷まし、グレイビーと付け合わせを別容器に分けた保存準備
衣を湿らせないため、シティチキンとグレイビーは分けて保存する

シティチキンは揚げたてが一番ですが、余った場合はグレイビーと分けて保存します。グレイビーをかけたまま冷蔵すると、衣が戻って重くなります。皿に出す直前に温め、最後にソースをかける方が、パン粉の香ばしさが少し戻ります。

保存するもの 期間 温め直し
シティチキン本体 冷蔵2日 トースターまたはオーブン160度Cで8分
冷凍した本体 3週間 冷蔵解凍後、160度Cで10分
グレイビー 冷蔵2日 小鍋で弱火。固ければ水を大さじ1ずつ足す
マッシュポテト 冷蔵2日 電子レンジで温め、牛乳少量でのばす

弁当に入れる場合は、朝にしっかり再加熱し、完全に冷ましてから詰めます。グレイビーは別容器にしてください。常温で長く持ち歩く料理ではないので、夏場は保冷剤を使い、昼までに食べ切る前提にします。

よくある質問

鶏肉で作ってもいいですか?

作れますが、料理名の面白さは少し薄れます。シティチキンは「鶏ではない肉を鶏風に見せる」料理なので、豚肉や仔牛肉の方が文脈に合います。鶏肉で作るなら、鶏むね肉を角切りにして同じ工程で作り、中心温度74度C以上を目安にしてください。

オーブンなしで作れますか?

作れます。フライパンで焼き色をつけた後、油を軽く拭き、ふたをして弱火で8分から10分蒸し焼きにします。ただし、衣の底が少し湿ります。最後にふたを外して1分焼くと、いくらか戻ります。

豚こま肉で作れますか?

おすすめしません。豚こま肉は形が不揃いで、串に刺すとほどけやすく、中心温度も読みづらくなります。薄切り肉しかない場合は、串に巻きつける別料理として作り、シティチキンとは分けて考える方が安全です。

肩ロースだけで作ると重くなりますか?

肩ロースだけでも作れます。脂が多い部位は衣の内側に肉汁と脂がたまり、底が少し重くなることがあります。初回は肩ロースとももを半量ずつにすると、ジューシーさと形の締まりが両立します。肩ロースだけで作る場合は、白い脂身だけの大きな部分を外し、揚げ焼き後に網にのせて余分な油を落としてからオーブンに入れてください。

グレイビーを作らずソースで食べてもいいですか?

食べられます。ただ、現地の家庭料理らしさを出すなら、簡単でもグレイビーを作る方が合います。肉を焼いたあとの焦げ、バター、粉、ブロスだけで十分です。ソースで食べる場合は、日本の串カツにかなり近くなります。

パン粉は日本の生パン粉でいいですか?

使えます。生パン粉はザクザクしておいしい反面、油を吸いやすいです。軽く仕上げたい場合は乾燥パン粉を手で少し砕くか、粗いパン粉と細かいパン粉を半々にしてください。

主な参考リンク

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