赤い油のスープに薄切り牛肉、白菜、もやし、唐辛子、花椒を重ねた四川料理の水煮牛肉
🔪下準備25分
🔥調理20分
🌍料理中国・四川料理

水煮牛肉の作り方|四川の赤い油煮

26分で読めます世界ごはん紀行編集部
Cooking flow

作り方を先に見る

調理工程スライド
STEP 11 / 6

牛肉に下味を入れる

所要時間10分

手順1: 牛肉に下味を入れる

火は使いません。牛薄切り肉350gが大きい場合は幅4cmに切り、紹興酒大さじ1、しょうゆ小さじ2、塩小さじ1/4、水大さじ1をもみ込みます。片栗粉大さじ1と1/2を加えて肉の表面が薄く白くなるまで混ぜ、最後に油小さじ2を絡めます。油がまんべんなく行き渡り、肉につやが出て、箸で持ち上げても一枚ずつ離れる状態にします。

STEP 22 / 6

野菜を先に火入れする

所要時間6分

手順2: 野菜を先に火入れする

中華鍋か深型フライパンに水600mlを入れて強火で沸かし、白菜250gを2分、もやし200gを40秒ゆでます。白菜の白い軸が少し透き通り、もやしが折れずにしんなりしたら引き上げます。湯を切って大きめの器に敷き、長ねぎの白い部分を斜め薄切りで半量散らします。

STEP 33 / 6

豆板醤を炒めて赤い油を作る

所要時間5分

手順3: 豆板醤を炒めて赤い油を作る

鍋を拭き、油大さじ2、にんにく薄切り2片分、しょうが細切り20g、乾燥唐辛子の半量、花椒小さじ1を入れて弱めの中火にかけます。香りが立ったら郫県豆板醤大さじ2を加え、2分ほど炒めます。味噌が油に溶け、鍋底に赤い油がにじみ、にんにくの縁が薄く色づいたら次へ進みます。黒く焦げそうならすぐ弱火に落とします。

STEP 44 / 6

スープを沸かして牛肉を滑らせる

所要時間5分

手順4: スープを沸かして牛肉を滑らせる

鶏ガラスープ450ml、しょうゆ大さじ1、砂糖小さじ1を加え、中火でふつふつ沸かします。沸騰が強すぎると肉が縮むので、泡が鍋底から静かに上がる弱めの中火にします。牛肉を一枚ずつ入れ、箸で軽くほぐします。肉の赤みが8割ほど消え、表面がなめらかに白っぽくなったら火を止めます。完全にぐらぐら煮続けないことが、やわらかさの分かれ目です。

STEP 55 / 6

野菜の上にスープごと注ぐ

所要時間3分

手順5: 野菜の上にスープごと注ぐ

火を止めたまま、牛肉とスープを野菜の器へ注ぎます。白菜ともやしが赤いスープを吸い、牛肉が上に重なるように整えます。ここで黒酢小さじ2を鍋肌ではなく器の縁から入れると、油の重さが少し軽くなります。肉がスープに沈みすぎたら、箸で上へ引き出してください。

STEP 66 / 6

熱い油で唐辛子と花椒を開く

所要時間2分

手順6: 熱い油で唐辛子と花椒を開く

残りの乾燥唐辛子、粗挽き唐辛子小さじ2、粗くつぶした花椒小さじ1、にんにく粗みじん2片分、長ねぎの青い部分を牛肉の上にのせます。小鍋に油大さじ2を入れ、中火で180度前後まで熱します。温度計がなければ、ねぎの切れ端を入れてすぐ細かい泡が立つ状態が目安です。火を止め、唐辛子と花椒の山へ細く回しかけます。じゅっと泡立ち、赤い油の香りが立ったら完成です。

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Ingredients

材料を分けて見る

材料スライド
22品目

材料

牛薄切り肉、白菜、もやし、豆板醤、花椒、唐辛子、香味野菜を並べた水煮牛肉の材料

4人分です。牛肉はすき焼き用の高い肉でなく、肩ロースや切り落としで十分です。厚い焼肉用ではなく、2mm前後の薄切りを選ぶと、短い火入れでやわらかく仕上がります。

材料 分量 代替と注意
牛薄切り肉 350g 肩ロース、切り落とし、もも薄切り。大きいものは幅4cmに切る
紹興酒 大さじ1 日本酒大さじ1で代用可
しょうゆ 小さじ2 牛肉の下味用
小さじ1/4 下味用。豆板醤の塩分が強いので増やさない
片栗粉 大さじ1と1/2 牛肉をやわらかく見せる膜を作る
大さじ1 下味をなじませる
米油または菜種油 小さじ2 下味用。肉同士が貼りつくのを防ぐ
白菜 250g 4cm幅のざく切り。キャベツでも可
もやし 200g 豆もやしなら食感が強い
長ねぎ 1本 白い部分は斜め薄切り、青い部分は仕上げ
にんにく 4片 半量は薄切り、半量は粗みじん切り
しょうが 20g 3cm長さの細切り
郫県豆板醤 大さじ2 日本の豆板醤なら大さじ2と1/2まで
乾燥唐辛子 8g 種を軽く抜き、2cm幅に切る
花椒(粒) 小さじ2 半量は油へ、半量は仕上げへ
粗挽き唐辛子 小さじ2 韓国唐辛子なら色は出るが辛さは穏やか
鶏ガラスープ 450ml 水450ml+顆粒鶏ガラスープ小さじ2
しょうゆ 大さじ1 スープ用
砂糖 小さじ1 辛味の角を丸める
黒酢 小さじ2 仕上げの重さを切る。米酢小さじ2でも可
米油または菜種油 大さじ4 仕上げ油。オリーブ油は香りが合いにくい
青ねぎまたは香菜 20g 仕上げ。香菜が苦手なら青ねぎだけ
アレルギーと辛味

このレシピは牛肉、大豆、小麦を含む可能性のある調味料を使います。豆板醤、しょうゆ、顆粒スープはメーカーごとに原材料が違うため、アレルギーがある場合は表示を確認してください。花椒のしびれは唐辛子の辛さと別なので、初回は小さじ2より増やさないほうが食べ切りやすいです。

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材料表の分量4人分

表内の数値を目安として再計算します。塩、辛味、油は味を見ながら調整してください。

📊 栄養情報(1人分)
425
kcal
20.5g
タンパク質
29.5g
脂質
14.5g
炭水化物
2.5g
食物繊維
1400mg
ナトリウム
※ 目安値です。材料や調理法により変動します。
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材料からそろえる、味の決め手

買い出しガイド
郫県豆板醤
郫県豆板醤
リサーチ日時:2026年6月14日
四川花椒 粒
四川花椒 粒
リサーチ日時:2026年6月14日

夕飯の買い出しで薄切り牛肉を手に取ったとき、すき焼きでも肉じゃがでもなく、台所に花椒の香りを立てたくなる日があります。鍋の底で豆板醤を炒めると、赤い油がにじみ、にんにくとしょうがが追いかけてくる。そこへ牛肉を一枚ずつ入れると、火を入れているのに肉は硬くならず、辛いスープの中でふわっとほどけます。

水煮牛肉(shuǐ zhǔ niú ròu / 水煮牛肉)は、四川料理の「水煮」と呼ばれる調理法を家庭向けに作りやすくした一皿です。名前だけ見ると水で煮る淡い料理に聞こえますが、実際は豆板醤、唐辛子、花椒、熱い油で香りを立てる、かなり力のある料理です。麻婆豆腐と同じく豆板醤と花椒が軸ですが、豆腐ではなく薄切り牛肉と野菜が主役になるので、食卓では鍋料理に近い満足感があります。

この記事では、日本のスーパーで買える牛薄切り肉、白菜、もやしを使い、郫県豆板醤と粒の花椒で四川らしい赤い油を作ります。辛さは現地の食堂より控えめにしつつ、水煮らしい「赤い油、しびれる香り、やわらかい肉、下に敷いた野菜」は残します。

水煮牛肉とは、赤い油で香りを開く四川の牛肉料理

水煮牛肉をご飯、きゅうりの小鉢、スープと並べた食卓

水煮は、中国語では「水で煮る」と読めます。ただし四川料理で水煮牛肉や水煮魚と言うと、辛いスープで素材に火を通し、仕上げに唐辛子と花椒へ熱い油をかけて香りを開く料理を指します。英語圏の四川料理紹介でも、Shuizhu は唐辛子油、花椒、野菜を組み合わせた料理として説明されることが多く、単なる煮込みとは別物です。

日本の家庭で作るときに大事なのは、辛さを上げすぎることではありません。豆板醤を油で炒めて発酵香を出すこと、牛肉に片栗粉をまとわせて短時間で火を入れること、最後の熱い油で花椒と唐辛子を起こすこと。この三つを守ると、唐辛子の量を控えても水煮らしい輪郭が出ます。

同じ赤い油の料理でも、ビャンビャン麺は麺の上で香味を開く乾いた料理、炒麺は鍋肌で麺と具を炒める料理です。水煮牛肉は、野菜を器に敷き、熱いスープを注ぎ、最後に油を鳴らす。食卓で一皿を囲む感覚は、四川の辛い鍋を小さく作るイメージに近いです。

四川の食卓で水煮牛肉が「水っぽく」ない理由

水煮牛肉の由来を考えるとき、名前の「水」だけを見てしまうと、料理の芯を外します。現地の食卓で大事なのは、肉を油で炒めて硬くするのではなく、薄く切った肉を辛いスープに短く滑らせ、最後に熱い油で唐辛子と花椒を鳴らす流れです。四川料理学校での実演記録を見ても、野菜を器の底に敷き、豆板醤を効かせたスープで牛肉を短く火入れし、刻んだ唐辛子と花椒に熱い油を注いでいます。水煮は淡い煮物ではなく、火入れは穏やか、香りは強いという組み合わせです。

地域差もあります。成都の食堂で出る水煮は、牛肉だけでなく魚、豚肉、うなぎ、野菜などへ広がり、店ごとに下に敷く野菜や唐辛子の種類が変わります。水煮魚なら魚の身が崩れないようさらに短く火を入れ、牛肉なら片栗粉や卵白で膜を作る店もあります。家庭では、白菜、もやし、レタス、セロリ、蒜苗のように、その日に安い野菜を受け皿にすることが多く、肉を食べる料理でありながら、器の底の野菜が辛い油とスープを吸ってもう一つの主役になります。

日本で再現するときは、現地の量の油と唐辛子をそのまま写すより、どの要素を減らしても輪郭が残るかを考えるほうが食べ切りやすいです。守るのは、郫県豆板醤を油で炒めること、花椒を粉だけにしないこと、肉をぐらぐら煮ないこと、仕上げ油をゼロにしないこと。逆に、野菜は日本のスーパーで手に入りやすい白菜、もやし、小松菜で置き換えられます。辛さを控える日は唐辛子を減らしてもよいですが、花椒と豆板醤まで減らしすぎると、水煮牛肉ではなく赤い牛肉スープに寄ってしまいます。

現地の考え方 日本の台所での判断
肉は薄く、短く火を通す すき焼き用ではなくても2mm前後の薄切りなら扱いやすい
野菜は器の底で受ける 白菜、もやし、小松菜、キャベツで代替しやすい
豆板醤はスープに溶かす前に炒める 郫県豆板醤を先に油で伸ばし、香りを立ててからスープを入れる
仕上げ油で香りを開く 油を減らしても大さじ2は残し、唐辛子と花椒に直接かける

買い出しで迷う材料と道具

豆板醤、花椒、乾燥唐辛子、中華鍋を並べた水煮牛肉の買い出し材料

水煮牛肉で通販を見る価値があるのは、牛肉や白菜ではなく、香りの芯になる豆板醤、花椒、熱い油を扱いやすい鍋です。普通の肉や野菜は近所のスーパーで買い、現地らしさに効くものだけを選ぶほうが、買い物の満足度が上がります。

郫県豆板醤は、甘い味噌ではなく、そら豆と唐辛子を発酵させた塩気の強い調味料です。水煮牛肉ではスープの赤い色、発酵香、辛味の土台になります。日本の豆板醤でも作れますが、香りの奥行きはかなり変わります。

花椒は粉より粒が扱いやすいです。粒を軽くつぶして使うと、柑橘の皮に似た香りが立ちます。しびれが苦手な家族がいる場合は、仕上げ用を別皿に分けると食卓で調整できます。

仕上げ油をかける料理なので、深さのある鍋が安心です。広い中華鍋があると、野菜を先に炒め、豆板醤を油で伸ばし、スープを作る流れが一つの鍋で済みます。

失敗しやすいところと直し方

赤い油で仕上げた水煮牛肉と、色が薄く肉が硬く見える水煮牛肉を並べた失敗比較

水煮牛肉の失敗は、辛すぎることより、牛肉が硬い、油が赤くない、スープが薄い、花椒が苦い、の四つに寄りがちです。どれも工程の順番でかなり防げます。

起きたこと 原因 直し方
牛肉が硬い 強く沸いたスープで煮続けた スープをふつふつに落とし、赤みが8割消えたら止める
肉が固まる 片栗粉の後に油を絡めていない、一度に入れた 油小さじ2を下味に入れ、箸で一枚ずつ滑らせる
油が赤くない 豆板醤をスープで薄める前に炒めていない 弱めの中火で2分炒め、油が赤く分かれるまで待つ
苦い 花椒や唐辛子を焦がした 最初の花椒は弱めの中火、仕上げ油は火を止めてから注ぐ
塩辛い 豆板醤としょうゆを増やしすぎた スープを100ml足し、黒酢小さじ1で重さを切る

辛さを上げたいときに豆板醤を増やすと、塩分も一緒に増えます。辛くしたい日は粗挽き唐辛子を小さじ1足し、しびれを上げたい日は仕上げ花椒を小さじ1/2足します。家族で辛さを分けるなら、仕上げの唐辛子と花椒を器ごとに変えるほうが現実的です。

日本の食材で寄せる線引き

水煮牛肉で守りたいのは、豆板醤を炒めること、花椒の香り、薄切り肉の短い火入れ、下に野菜を敷くことです。牛肉の部位や野菜は、日本の台所に合わせて変えても構いません。

現地らしさに効く要素 守る理由 日本での代替
郫県豆板醤 発酵したそら豆と唐辛子の香りが水煮の土台 日本の豆板醤なら量を少し増やし、砂糖を減らす
粒の花椒 しびれだけでなく、柑橘に近い香りを出す 粉花椒なら仕上げに小さじ1/2から
薄切り牛肉 短時間でやわらかく火が通る 豚ロース薄切りなら水煮肉片風にできる
白菜ともやし 辛いスープを受け止め、食べ疲れを防ぐ キャベツ、小松菜、豆もやし
熱い仕上げ油 唐辛子と花椒を最後に開く 油を減らす場合も大さじ2は残す

豚肉で作る場合は、水煮肉片に近くなります。豚ロース薄切り300gを使い、下味の塩は同じで構いません。魚で作る水煮魚は火入れがさらに繊細なので、初回は牛肉のほうが扱いやすいです。

もう一つの線引きは、辛さと香りを分けることです。辛味だけなら日本の一味唐辛子でも足せますが、四川料理らしい奥行きは、郫県豆板醤の発酵香と花椒の柑橘に近いしびれで決まります。買い出しを軽くしたい日は牛肉、白菜、もやしはスーパーでそろえ、通販で見るのは豆板醤と粒花椒に絞るのが現実的です。逆に、紹興酒は日本酒、青ねぎは長ねぎ、香菜は省略で構いません。すべてを現地の材料に寄せるより、味の柱を二つ残すほうが、家庭の鍋でも水煮らしい着地点になります。

辛さを家族で分ける日は、スープを作る段階では唐辛子を半量にし、仕上げの唐辛子と花椒を器ごとに変えます。大皿全体を辛くすると戻せませんが、仕上げ油の直前なら調整できます。辛味が苦手な人の分は、別の耐熱鉢に牛肉と野菜を取り分け、油はにんにくと青ねぎだけにかけます。大人の器だけに刻んだ唐辛子と花椒をのせれば、一つの鍋で同じ夕食にできます。

食べ方と保存、翌日までおいしくする

水煮牛肉は白ご飯と合わせると、辛い油が米でちょうどよく受け止められます。副菜は濃い味の炒め物より、きゅうりの黒酢和え、冷やしトマト、卵スープのような軽いものが合います。辛い料理をもう一品重ねるより、精進系の羅漢齋や、香りの方向が違うビリヤニへ回遊して、食卓の組み方を比べるのも面白いです。

保存する場合は、牛肉と野菜をスープごと清潔な容器へ移し、粗熱が取れたら冷蔵します。目安は翌日までです。温め直しは電子レンジより小鍋が向きます。弱火でふつふつするまで温め、牛肉が硬くなる前に止めます。香りが飛んだら、食べる直前に花椒をひとつまみ足してください。

冷凍はおすすめしません。もやしと白菜の水分が抜け、牛肉の膜も崩れます。残ったスープは、翌日に豆腐や春雨を入れて小さな麻辣スープにすると食べ切りやすいです。その場合は水100mlを足し、塩分を見てからしょうゆを足します。

よくある質問

水煮なのに油を使うのはなぜですか

四川料理の水煮は、素材を辛いスープで火入れし、最後に熱い油で唐辛子と花椒を開く料理です。水だけで煮るというより、スープと香味油を合わせる料理と考えると作り方がつかみやすくなります。

牛肉はどの部位が向いていますか

肩ロース薄切り、切り落とし、もも薄切りが向いています。脂が多いバラは油が重くなり、厚いステーキ肉は短時間でやわらかくなりません。2mm前後の薄切りを選んでください。

花椒が苦手な場合はどう調整しますか

スープに入れる花椒を小さじ1/2にし、仕上げ用を別添えにします。花椒を全部抜くと水煮らしさは弱まりますが、豆板醤と唐辛子で辛い牛肉スープとしては成立します。

子どもや辛味が苦手な人と同じ食卓に出せますか

同じ鍋で作るなら、豆板醤を大さじ1にし、乾燥唐辛子と粗挽き唐辛子を半量にします。取り分けた後、大人の器だけに熱い油、唐辛子、花椒を追加すると分けやすいです。

主な参考リンク

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